橘玲さんの『専業主婦は2億円損をする』がなんとなんと1月9日までの期間限定でkindleにて無料で読めてしまいます。
私も早速ダウンロードして読んでみました。
以下レビューです。
本の感想
論旨としては、専業主婦という形態は自ら人的資本を無駄にすることであり、生涯賃金として2億円を捨てることとイコールであること、金銭的自由を手放し、単一の収入源に頼ること(=夫の給料)はリスキーな生き方であることが語られます。
なので、『書を捨てよ、町へ出よう』ならぬ、『専業主婦をやめよ、外へ出よう』という啓蒙の書でした。
以下、印象に残った場所。
幸福とは自由(自己決定権)のことであり、そのためには経済的に独立していなければならない
この部分は確かにそうだなと実感しています。私がせっせと貯金に励んできたのも、自由を得たいという部分が大きかったように思います。
幸福な人生の土台には3つの「資本」があることがわかります。「金融資本(お金)」「人的資本(はたらくちから)」「社会資本(絆)です。
自分に引き寄せて考えてみると、金融資本はまだまだ、人的資本はこれから、社会資本も途上という、全てまあこれからぼちぼちやっていきましょうとしか言えない…。
「正規」か「非正規」かで人間を区別するのは、世界では日本にしか存在しない“身分差別”なのです。
これは海外に住んでみて本当に実感しました。フルタイムかパートタイムかしかない。職業を聞いても誰もサラリーマンなんて言わずに、エンジニアとかシェフとか、経理とか全部職種で返答があります。そもそもの大学教育の位置付けや、新卒の扱いが違うというのも影響しているとは思うのですが。
橘さんは、続けて今後日本でも正規と非正規が一体化すればフルタイムとパートタイムを行き来できるようになるでしょうと述べているのですが、私が働いている間に実現されることはあるのだろうか…。
全体として、納得するところが多かったのですが、結構批判が殺到しているみたいですね。
確かに、消極的専業主婦選択者にとって、解決策がきちんと提示されていないので、ただ露悪的に批判されたという思いを持つ方がいても不思議でないかも。
専業主婦として子育てしている方は働きたくても保育園の空きがなく働けない、働いたところで収入がそれほど見込めずむしろマイナスになってしまうという点で専業主婦を選択せざるをえないのに、その解決案が海外で就職してメイドを雇うや、スペシャリストになる能力を身につけ高収入となるは、無理があるのでは…と思いました。
そうしたくてもそうできないんだYo!というツッコミ待ちと言われても仕方ない。
なんだか段々本書に批判的な立ち位置の人みたいになってきましたが、性別役割にとらわれずに、自分の好きなことをして、自分の自己決定権を大事に、自分の人生を誰にも譲り渡すことなくあなたの人生を生きよというのは、その通りなので、その方法を自ら選び取るために、本書を参考にしてみるのも良いのではないかと思いました。まる